
立原道造 詩集
いのちの力になりたい 8 立原道造 詩集
誰にでも心の底に、たいせつにしまってあるもの。
想い出だったり、喜びであったり、夢や希望、涙であったりもします。
それは、時間に磨かれ人生の資産となって隠れているのです。
この詩集の一節一節は、そんな心の宝箱に
いつの間にかしのび込んでしまうに違いありません。
二十四歳で天折、「青春を爽やかに駆け抜けた詩人」、
「花と愛の詩人」と評される立原道造。
発表から実に八〇余年。いまなお多くの愛読者から、青春のなかで忘れてしまったものを
思い出させてくれると共感を得ています。
この詩では、あなたもいつか、あの頃のあなたに出逢えるはずです。
立原道造はつぎのように語っています。
「この詩集がそれを読んだひとたちに忘れられたころ、
不意に何ものともわからないしらべとなって、
たしかめられず心の底でかすかにうたう奇蹟をねがう。
それが誰のものであろうとも、僕があこがれる歌の秘密なのだ」。
忙しい日々、過酷な業務の連続で心が砕けそうな時、
心の宝箱が開いて、あなたにも奇蹟が起きることを願っています。