詩集
いのちの力になりたい 6 宮沢賢治 詩集
宮沢賢治 詩集

いのちの力になりたい 6 宮沢賢治 詩集

東日本大震災の被災地で、自らも被災者でありながら、
献身的に看護を続けるナースたちがいます。
その姿には、人は人のためにここまでできるという
感動を禁じることができません。
同じナースであるあなたはきっと、心いっぱいの声援と
すぐにも駆けつけたい熱い想いにつき動かされたにちがいありません。
そんな生きるものすべてをたいせつにする精神、心が
この一冊には満ちています。宮沢賢治の童話、物語には、
生きとし生けるもの、人、動物、植物、風や雲、そして
光、星や太陽までも同じ生きものであり、
そのすべての幸せを求めるのでなければ、
個々の幸せはないとする考えが静かに、しかし力強く脈打っています。
大震災の復興にあたって、「世界ぜんたいが
幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」と語られます。
実はこれは、賢治の言葉です。いのちのすべてに
心の手が求められるいま、賢治の言葉がいのちを保ち続ける証明でもあるのでしょう。
そしてこれはまた、賢治の言葉を借りた
あなたへのエールであり、あなたの確であり、勇気でもあります。
「傷つき、病むものぜんたいが幸福にならないうちは、ナースの幸福はあり得ない」。

2011.5.12 発行 写真・神田一澄 石部拓 人形・吉川かおり

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