研究開発・商品企画
人といのちを見つめて。未来を探る、ベストないまをつくる。
商品企画室
基本リサーチから、飛躍の発想。
「未来は現在の延長線にはない」これは未来学者A・トフラーの言葉です。私たちの研究開発も、同じ考えに基づいています。これまでナガイレーベンが蓄積してきたノウハウと知恵、技術を育み、有効活用することは、ほんの出発点。それだけではなく、高度情報社会、あるいは高齢化社会といわれる変化について、いち早く把握し、理解し、対処することが、これからの必須課題です。その基本的なデータ収集が、市場調査です。時代のニーズ、医療環境の変化などの市場動向を綿密に調査し、新しいニーズを開拓。その一つの現れが他には類をみない白衣のデザイナーズブランドの確立です。また商品の多様化を業界に先駆けたのもその実例です。白衣だけではなく、ナースシューズや着圧ソックス、サポートインナー、その他病院に必要な関連品をトータルに製品化。ここにも徹底したマーケティング志向が活かされています。単にデータとしてではなく、製品使用者(エンドユーザー)の生の声を白衣づくりに直接反映させることを目標に、全国のナースを対象としたアンケート調査を実施。数千名のお客様からいただいた厳しい意見をそのまま製品づくりに反映させています。マーケティングに忠実であるという原則。そこから大胆な発想が生まれていきます。
本社コンペルルーム
最先端の医服内環境
「人とは、衣服とは」の科学。
ファジーな事柄に科学のメスを入れて、具体的に把握する。一見、無駄と思われることでも徹底的に科学的な姿勢で臨むことにより、その研究過程でさまざまな収穫と新しい発見を生んでいます。たとえば、着やすさ、着心地とは何か。人と衣服の関係を原点から考えて、白衣のコンセプトを再構築する業界初の試みでした。東京芸術大学人間工学科の協力による「衣服のための人間因子の研究」に挑みました。研究の焦点は、理想の白衣とは何か。研究領域は看護生活全般。ナースの作業動作観察による素材の分析・評価。さらには皮膚の縮小や伸長に対する衣服の関与性など、多項目に及びました。この研究から得られた貴重で膨大な成果は、ナガイレーベンだけの財産。これらを応用して、機能性、デザイン性、ともにすぐれた、ナースウェアの進化が本格的に始まりました。
医療アメニティ戦略の研究。
ドクターやナース、患者など医療環境にある人々は、病院という建築物の生み出す環境をまとっている、と考えられないでしょうか。ナガイレーベンは、医療環境を広く、ホスピタルウェアと見ているのです。ナガイレーベンはこれまで造形・色彩心理学の側面からカラーにも工夫をこらし、楽しさを要素に盛り込んだデザイン白衣を開発・供給してきました。この試みと発想をさらに発展させ、従来になかった新しい病院・医療環境づくりのプランまでも提案しています。患者の闘病心理を臨床的に調査・研究し、疾病治療環境という概念ではなく、回復更生環境としてのプラスのコンセプトを据え、明るく、心理的高揚を誘う医療環境づくり。こうした経験を高齢化社会の望ましい環境づくりに活かす研究開発にも、すでに着手しています。
作業姿勢実態調査の一部
医療のための衣料素材の開発。
ナガイレーベンは化学繊維を白衣に採用した昭和27 年以来、素材機能に注目。わが国を代表する繊維メーカー「東レ」と技術提携し、糸づくりの段階から、白衣の機能性を拡大する努力をしてきました。洗濯に強く、アイロンがいらないなど取り扱いの簡便さはもとより、防透性、吸汗・発汗性、制電性などの機能をもつ素材開発、さらに院内感染の原因になる細菌の増殖を抑制する白衣など、医療従事者・患者さんの求めに応じた新素材を業界に先駆けて次々と開発してまいりました。特に手術分野では、米国スタンダードテキスタイル社と提携し、使い捨て商品からリユース商品として環境対応の新視点に立った対菌バリヤー性を備える「コンペルパック」は業界でも話題になりました。さらに「医服内環境」のコンセプトのもとに医療従事者の「医服」を新たな着心地へ、衣服内の快適環境の追求を推し進めました。涼感・接触冷感・高ストレッチなどの高機能素材の開発。また、医療従事者への綿密なモニターや全国の病院を対象に行われた年間温調調査をもとに、作業動作のストレスを解放するエアーアームカットやポンピング効果により、衣服内にこもった空気を放出する画期的な商品群「PRO-FUNCTION」(特許出願中)を開発しました。
本社ラボラトリー
手術衣素材撥水実験