2016 高見順 詩集
いのちの力になりたい 11 高見順 詩集
今回11冊目に取り上げたのは、
優れた作家であり、詩人でもあった高見順。
幾たびか病魔に襲われ、
死を迎えるまでの数年間は、詩作に意欲を燃やします。
人生の理不尽さをかみしめ、
取り返しのつかない過去を骨肉として
紡ぎ出されるてらいのない言葉。
時に岩や風や水となり、樹木と話し
傷ついた心をさらけ出します。
自分と自分を取り巻く世界と
格闘しながら精一杯生きてきた人間こそが
死を前にしたときに、自分を受け入れ、死をもやさしく見つめられる。
そんな高見順の世界に触れるとき、
日々患者さんとひたむきに向き合うあなたにとって
見慣れた風景が、少し違って見えてくるかもしれません。
そして、「これからも前だけを見つめて生きていこう」
と奮い立たせてくれる力になるものと信じています。