
野口雨情 詩集
いのちの力になりたい 9 野口雨情 詩集
野口雨情といえば童謡。だからといって、この詩集を
子供のためのものとは考えないでください。
おとなのため、あなたのためのものなのです。
他の童謡と同じように幼い日々への郷愁を掻き立てるという面はあっても、
雨情の童謡、その詩はそれだけでは終わりません。
「十五夜お月さん」、「七つの子」、「赤い靴」などいくつものおなじみの童謡、
また「波浮の港」、「船頭小唄」などの民謡詩。
そこに雨情が一貫して追求したものは、
永遠の童心。童心から生まれる言葉、無垢の世界です。
「自然と直面し、自然と握手できる心が永遠の童心である」と語っています。
永遠の童心とは、人として原初的で、根源的な心。
無垢な眼でこの世界を視ることです。
それは、人の苦しみ、悲しみを、何よりもまず自分のものとして
感じ取ることからはじまる看護にも通じることがあります。
雨情の詩に心が動かされたならば、あなたのなかで童心が
行動し始めたということ。それは、純粋な心と対比して、
いまを見つめ直すことにつながっていくはずです。
そうすれば、きっと日々の気持ちも変わります。
あたらしい一日、一日が生まれていくことでしょう。